パワハラ防止法への対応はできていますか?

坂本&パートナー

2020年04月16日 11:00

 パワハラ防止法とは、改正労働施策総合推進法の通称です。

 パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置が、企業

に初めて義務付けられました。

 2019年5月に同法が成立し、改正法は大企業では2020年6月か

ら、中小企業では2022年4月から施行されます。


 罰則はありませんが、企業名が公表されるリスクがあるので、

しっかりと準備を行い対応することが求められます。


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●パワハラ防止法とは?


 いわゆるパワハラ防止法、「労働施策総合推進法」が2019年

5月29日に成立し、大企業には2020年春にも施行される見込み

(中小企業は2022年)となりました。

「雇用管理上の措置」として、事業主にパワハラ防止措置が義

務づけられます。罰則はありませんが、企業名が公表されるリ

スクがあり、対応が求められます。
 

●「パワハラ」の定義

 パワハラとは「職場において行われる優越的な関係を背景と

した言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものに

よりその雇用する労働者の就業環境が害されること」と、はじ

めて法的に定義されました(労働施策総合推進法第30条の2)。

 なお、優越的な関係とは、上司部下の関係だけでなく、例え

ば、業務経験が長い部下の新しい上司に対する悪質な言動など

も、パワハラに該当する可能性があります。


●事業主や労働者に求められること

 パワハラに対する事業主と労働者の責務が明確化され、事業

主には「研修の実施その他の必要な配慮」、労働者には「パワ

ハラへの理解を深め、他の労働者への言動に注意する努力義務」

が課されることになりました(同法第30条の3)。

 つまり、事業主はパワハラに関する研修を実施し、雇用する

労働者にパワハラ防止教育を行うことが必要となります。その

他、相談窓口の設置や周知、就業規則の変更なども必要になり

ます。


●準備はお早目に

 今回、パワハラ事案も都道府県労働局による調停の対象に加

わりました。

 労働者の申告を恐れて、業務上必要な指導ができなくなれば、

企業活動に影響を与えます。指導をパワハラと誤解されないた

めにも、日頃から指導記録を残すなどの対策が望まれます。 

 パワハラ防止法への対応について、早めに準備に着手される

ことをお勧めします。



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