未婚の方も対象に!ひとり親・寡婦控除

坂本&パートナー

2020年09月10日 11:00

 令和2年分の年末調整から、未婚のひとり親にも

所得控除が認められることになりました。

 今回は、新設された「ひとり親控除」と、

それに伴う「寡婦・寡夫控除」の見直しについて紹介します。

 制度を理解して年末調整業務や従業員への

説明対応をすることが求められますので、ぜひご一読ください。





●ひとり親も控除が受けられるように

 令和2年の税制改正で、未婚のひとり親に対しても

寡婦(かふ)控除と同様の所得控除が受けられることとなり、

同時に寡婦控除にも改正が加えられることとなりました。

 また、男女間に格差があった特別の寡婦控除が廃止され

「ひとり親控除」として新設されます。


●従来の寡婦(寡夫)控除との違い

 今までの寡婦(女性)控除については、本人の所得が500万円超であっても

扶養親族が居る場合は27万円の控除がありましたが、

寡夫(男性)控除に関しては500万円超の所得がある人については

控除が受けられませんでした。

 この男女間の格差は「両者とも控除は無し」という

納税者側から見れば悪い方向で是正が行われました。

 所得金額が500万円以下であり、かつ扶養親族に子がいる場合は、

男性でも女性でも、死別でも離婚でも、未婚のひとり親でも

一律に35万円(住民税は30万円)の所得控除となります。

 名前も「ひとり親控除」へ変更となります。

 この処置は従来の寡夫控除が27万円だったので

男性については控除額の増加となり、

今まで控除が受けられなかった未婚のひとり親については

35万円の控除額増加となります。

 寡婦であり子以外の扶養親族がいる場合と、

扶養親族が居なくても死別が原因の寡婦の場合は、

従来と同様の27万円(住民税は26万円)の寡婦控除となります。

 対して男性の場合は、子以外の扶養親族が居ても、

死別であっても従来から控除は受けられず、

改正でもその点に変わりはありません。


●「特別の寡婦」の名称は消滅

 従来の「特別の寡婦」控除の名称は無くなり、

ボーダーラインも若干は変わるものの、ひとり親控除に引き継がれるので、

悪い影響があるのは「今まで寡婦控除を受けていた所得500万円超の女性」

に限定されます。

 なお、ひとり親控除、寡婦控除のいずれについても、

住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」と記載されている

いわゆる事実婚状態の方は受けられません。



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