どう分ければいい?個人事業主の家賃按分
個人事業主の方にとって、事業の必要経費と家事生活費の区分けは悩ましいものです。
当然ながら必要経費には多くできたほうが良いのですが、今回はその中の家賃についての按分を考えていきます。
大切なのは「客観的な根拠」です。

●家賃は按分して経費になる
自宅で仕事をしている個人事業主は家賃を経費にできますが、その場合の家賃は事業用だけではなく、個人の生活のために払っている費用も含まれています。
国税庁のWebサイトを参照してみると、経費にできるのは、
(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2)その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
と説明されています。簡単に言うと経費になるのは「事業を行う上で直接発生した費用だけ」ですから、事業主部分の家賃と生活のための家賃を分けて、事業主部分の家賃は経費となるわけです。
●按分の方法と注意点
「按分の方法」については、実績が問われますから、利用した時間や使用している面積などを参照します。賃貸の場合は家賃を、持ち家の場合は減価償却費を按分することになります。
大切なのは按分した金額の根拠を税務署に聞かれた時に、客観性のある根拠に基づいて説明できるか、ということです。例えば賃貸契約書や間取り図、家賃の支払いが分かる通帳記録、自宅での作業時間を記録していたもの等、根拠となり得るものを揃えておく必要があります。
ただし、配偶者や親族に支払う地代家賃は経費になりませんから、注意が必要です。
●住宅ローン控除適用にも注意
持ち家で居住・事業両方に利用している住宅を建て替える際、住宅ローン控除が適用されるのは事業用部分が50%未満の場合となります。また、居住部分が50%以上であっても、住宅ローン控除が適用されるのは居住用部分のみとなるため、持ち家の事業分の減価償却費を按分した結果、その割合分は住宅ローン控除が受けられなくなります。
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